実録! ご要望会議 (2007.08.18)


 先日、生徒会長へのインタビューで写真の使用を求めた際、
「ご要望会議へ来てね」と笑顔でかわされてしまった記者であったが、
この度ついにその目標を果たすべく、ご要望会議へと赴いた。

 ご要望会議は、本校第一会議室にて行われ、その開催時期は不定期である。
まず会議室へ着くと、受付の役員が出迎えてくれる、控え室に待たされる。
当然待つ人がいなければ、すぐに会議室へと招かれる。

 しばらく控え室で待っていると、生徒が出てきた。
ユニフォームを着ているので野球部員なのだろう。
なにやら肩を落としているようだが、気にしない事にする。

 新聞部と呼ばれ、会議室へと向かう記者。
ついに運命の時が訪れる。

【会議スタート】


 部屋へ入り、元気に「よろしくお願いします」と一礼する。
さすが会議室、そして生徒会勢揃い。部屋の中は静かなものだ。
用件をどうぞ、と誰かが言った。既に戦いは始まっていたのだ。
 私はここで本来の目的を議題として挙げる。
「以前撮影させて頂いた、橘生徒会長の写真を部の看板として利用させて頂きたい」

少々場がどよめいた気もするが、決してひるんではならない。
そう、ここは敵地なのだから。
「まあそういう事ならオレが担当かな? 会長の写真を部の看板にしたい、とはね」
生徒会書記の宇津が会話に割って入ってくる。
 このように、要望の内容によって話に介入してくる担当者が変わるのだ。
金銭がらみであれば会計の原。人事関係であれば書記の宇津。
そして外部(他校か各方面OBなど)に働きかける場合は副会長の大京が担当のようだ。

 宇津はなぜか片手に赤いバラを持ち、うつむく。
今回の議題について考えているのだろう。
「ふむ……ボクは反対だなぁ。キミは会長をなんだと思ってるんだ、一体」

 宇津の印象は決して良くはない。まあ内容が内容だ、劣勢は覚悟していた。
さて、ここからが正念場。たとえ担当者の印象がどうであれ、最終的な判断を下すのは会長・橘みずき。
「一応、みずきちゃんはどうだい?」
「……ん?」

 これはとある生徒から聞いた話だが、生徒会長は気分屋で、
その時の彼女の機嫌が会議の成否を左右すると言っても、決して過言ではないのだ。
見たところ、今日の会長の機嫌はまあ普通のようだ。

 ……となれば、あとはこちらの頑張り次第。
熱意を持って彼女へアピールを開始する。

「ニュースと言うのは、人の目に付かなければなんの意味も持たないただの文章の羅列。
目を引くためには、あなたのような花が必要なんだ!
客寄せと思われたても仕方ない、それでも構わない!
自分は会長と共に在りたい、新聞部を、ていうか俺を見守る天使であって欲しい!
頼む、一生のお願いだーーーーーーッ!!!」

 ……これは録音した物を記事に書き起こしたものであるが、
我ながらなんと恥ずかしいセリフをしかもあんな大声で言ったものか……

 これでは看板に写真を使いたい、というのとは違って受け止められそうな気がしないでもないが……
ただ、この(妙に)気合の入ったアピールに、少なからず、会長は心動かされた。ような気がした。

「ん〜〜〜……」
 沈黙が空間を支配する。
まさに生か死か、すべては次の一言で決まる。
「うん、よし。 認めちゃうよ、許可〜。」

「い、いやったああぁぁッ!!」
またもなんだか場がどよめいているが、何はともあれ要望は無事許可された。


 ご要望会議の流れをここでまとめてみよう。

1・要望を簡潔にまとめ、ハッキリ伝える
2・相手の様子を鋭くを伺う
3・最後には気合が物を言う
4・と言いつつ、最後に物を言うのはやはり会長のご機嫌である
5・周りの視線を気にしてはいけない


 勢いって大切です、でも限度を知りましょう。ね、俺。
                                    (記者 J・S)


 「許可」を頂いた直後の様子。その結果に宇津書記は不満気にも見える (撮影 J・S)

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